Vol.419 学校を辞めると言い出した生徒のケース/回答のご紹介

10月発行号(Vol.419)のテーマ:夏休み明け、休みがちな生徒への呼び出し面談の例
1年生の夏休み明け、休みがちになっている生徒が気になったので、声をかけ面談を実施した。

<やりとり>
教師:最近、少し休み続いたようだけど、どうした?
生徒:ん~、別に。
教師:どこか具合でも悪いんじゃないかと心配したんだけど
生徒:あ、いや、なんかダルイっていうか・・・・
教師:そっかー、ダルイ感じね!
生徒:ん~、学校来ても面白くないっていうか、そう”つまんない”、いろいろ面倒くさくて・・・。
教師:夏休み明けは、確かにちょっときついよね。
生徒:勉強わかんないし~、(学校に)来るの疲れるし~、かったるい、もう学校やめようかなあ~って
教師:え~、学校やめる?

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1年生であるし、たいへん危機的な状況である。
まずもう少し勉強がわからない原因や学校が嫌な理由を生徒と考えると同時に、別の理由で学校をやめたがっている場合(例えば家庭の経済的理由や友人関係のもつれ等)もあるので家庭とも連携しながら原因を調査していく。
単に怠け癖がついているだけなら、学校をやめることによって自分自身に生じる不利益や損を丁寧に客観的に話をすると、「やばい」と感じて少しずつ立ち直ることが多かった。

(大阪府・匿名)


休み明け学校がだるく、つらくなる生徒は多い。背後に学校に気持ちが向かない事情があるかをまず聞き出したい。家庭状況の変化(三者懇談後の変化を切り口に探りをいれる)、友人関係のトラブル(特に部活動等での代替わりをきっかけにした変化、引退した3年、最上級生となる2年、新人から中堅へと変化する1年など、顧問やほかの生徒からのリサーチも)、学業面での行き詰まり(休み明け試験の状況を授業担当などからリサーチ)などを、その面接だけでなく、数日の間に情報収集をして、自分で何とかなりそうな問題なら、思考を変化させるようなアドバイスを、どうしようもない問題なら、関係教員との連携の下で、生徒への指導を行う。
 背後にあまり深刻な問題がないようなら、「自分が何のために○○高校で学んでいるか?」というそもそもの問いに立ち返らせ、学ぶことで変化を求めていく君を学校は支援するよというメッセージを伝え、自力で考えるように促す。
 安易に「だるい」「つらい」という感想には振り回せる必要はないのではないかと、最初のやり取りにすでに疑問を感じてしまった。学校という学業や部活動・委員会活動・行事などで自己変革を起こす「フィクション」としての装置に自覚的に参加しない生徒や教員がこの問題の根本ではないだろうか?

(広島県・匿名)


学校やめて何かやりたいことあるんか?
ある →  内容を聞いて、やりたいことや考えていること(たとえ現実性はなくとも)をしゃべらせて、頭の中の整理が出来るよう仕向ける。
      その上で、本当に学校をやめることが理にかなっているのかを一緒に考えていく。
      たぶん、理にかなうケースは少ないと思うので、そこに考えが行き着いたときに、
      学校をやめたいと思う気持ちの核心部分が浮き彫りになるかもしれません。
      あとは、それを克服していく決意ができるかどうか、何らかのアドバイスは出来る
      としても、基本的には本人の気持ちの行方や変化を見守るしかありません。

ない → 「ないのにやめたらアカンでぇ。やめてもろくな事ないでぇ。やりたいこと探そうや」といって、
      後は「学校やめるな」とはいわずにやりたいこと探しを手伝う。その次の展開は、上の「ある」の時と同じ様な流れに持って行きます。

(大阪府・匿名)


いかがでしたでしょうか。 この連載では読者の先生方のご回答と、実際のお悩み例をとりあげていきます。実際に先生がお困りになられた生徒さんのケースをお寄せいただければ幸いです。自由にお書きください。

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